平和は力[2024年08月03日(Sat)]
◆従兄の見送りに新幹線で帰省。
盛岡を過ぎると岩手山が姿を現すのだが、夕焼け空をバックにどっしり巨魁を浮かび上がらせるのは初めて見るかも知れない。
惜しむらくは、すぐにトンネルに遮られることが多い区間に入り、トンネルを抜け出たと思うとこんどは高い防音壁に邪魔されて、ゆっくり山容を楽しむ暇が与えられぬことだ。
それでもガザを完全に包囲する壁の非情さに比べれば嘆くにはあたらないのだが。
◆〈平和が力であることを知らねばならぬ〉
車中読み進めた長田弘の『詩は友人を数える方法』(講談社文芸文庫、1999年)で出会った言葉。
米モンタナ州、カスター将軍率いる第7騎兵連隊の死者を葬った墓園で詩人が出会ったのは、騎兵隊と死闘を繰り広げた先住民スー族の賢者、ブラック・エルクの言葉だ。
詩人は言う――騎兵隊の全滅は殉難として讃えられたとしても、
「それが結果したのは、昔から草原に生きてきた人びとの世界の喪失だ。この大きな空の下にあるのは、空の大きさとおなじだけの、いまは失われた世界なのだ。」と。