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〈モーツァルト〉[2024年05月27日(Mon)]

240527バラDSC_0347.jpg

◆近くのクリニックで小さなバラが咲いていた。

検索してみると、「モーツァルト」もしくは「バレリーナ」という品種らしいが、素人には判別が難しい。色の濃い目なのが「モーツァルト」だという。
ちょうど吉田秀和『レコードのモーツァルト』(中公文庫、1980年)を読んでいたので、バラの名前も「モーツァルト」ということにして置こう。

◆上の本、昔読んだ折には、登場するピアニストや指揮者の名前は聞き知っていても、たとえばハ長調のピアノソナタ(ケッヘル番号でK.330)などについて、Aというピアニストはこんな感じ、それに対してピアニストBの演奏は……とその違いが分かるように書いてあるのは分かった。
達意の文章とはこういうものか、としばしば驚きながら読むのだが、しかしそれらのレコードを聴けるような状態ではないから、間に薄膜をはさんで名画を眺めているようなもどかしさを感じつつ読んでいたように思う。

それが今は、取り上げているディスクのいくつかは、手元にCDがある。
ネット上にアップされているものも少なくない。
ありがたい時代だ(それでも、オペラや歌曲は未聴のものがたくさんある)。

◆この本、ふとしたエピソードがこちらの気持ちをわしづかみにする例が少なくない。
今回もまた同じ箇所で目が止まった。

154ページ、東京で暮らすヴィーン育ちの女性のところで夕食を呼ばれ、食後だれかがかけたレコードから歌声が流れた。
シュヴァルツコプフという名ソプラノが歌うモーツァルトのアリアである。

この時、女主人は「ああ、ヴィーン!」と一言。その目に涙がたまっていた。そうしてその気持ちが、その場にいたみんなに即座に分かった。

◆最初に読んだ時のことを思い出さずにはいられない。かつてと今と、自分の気持ちにおいて何の違いもない。
強いて違いを挙げれば、シュヴァルツコプフの歌声が今は分かる、ということ。
それともう一つ、かつてこの文章に胸を衝かれた時の自分が、40年余を隔てて真っ直ぐによみがえったこと、その二つだ。


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