『プロジェクトX』旧作アンコール版「黒四」放送[2024年05月04日(Sat)]
モミジの赤い実が若葉に彩りを加えていた。有明防災公園で。
こちらはアミリカミズキのピンクの花。
上方に咲いていて花の尊顔全体はとらえきれず。
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◆NHKで、『新プロジェクトX』の宣伝をかねて、『プロジェクトX』の旧作アンコール版を放送していた。
『厳冬 黒四ダムに挑む〜断崖絶壁の輸送作戦〜』(オリジナルは2000年および2005年に放送)を見て驚いた。
難工事の犠牲となった人の数の多さである――171名。
1956(昭和31)年にスタートし、1963(昭和38)年に完成させた黒四ダム。
7年と定められた工期に間に合わせるために無理を押し通したことが、現在の私たちの目には理不尽なものとして映る。
◆電力供給が1964年の東海道新幹線開通や1970年の大阪万博の成功をもたらしたことは確かだろうが、さて……人命を犠牲にしてでも大事業は成し遂げなければならないという固着した考え方が、戦時中から高度成長期に至るまで無条件に信じられていたのではないか?
それどころか、現在もなお、同じ発想が、デカいプロジェクトの完遂を目指す人々の心底に脈々と続いているのではないか?
◆元の番組が作られたのはせいぜい20年ほど前だ。
工事で亡くなった人たちの名を刻んだ慰霊碑の前で工事責任者が「この人たちがいなかったら……」と語るシーンも入ってはいる。だが、現在の私たちからすれば、当時の番組制作陣も、それを元に現在の黒四を紹介する番組スタッフも、80年前、戦時中の日本人とメンタリティにおいてほとんど違わないように感じられてならない。



