
H3ロケット+まどみちお「かず」[2024年02月18日(Sun)]
◆H3ロケットの打ち上げが無事成功した。
低コスト化での成功を義務づけられた無理ゆえか、初号機の失敗から1年。開発から数えると10年を要した。久々に明るいニュース。
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かず まどみちお
かずは 一から はじまって
いくつまで つづくのだろう
たしかめたく なるのは
だれにも たしかめられないからか
ぼくには かずが
じぶんで じぶんを
かぞえているように おもわれる
うちゅうが はじまった その日に
一から かぞえはじめて
いまでも ずうっと
まだ まだ これからだと おもって
だれも いない
なんにも ない
うちゅうの まん中に すわって
谷川俊太郎・編『まど・みちお詩集』(岩波文庫、2017年)より
◆このような詩を読むと、小さな日本列島政界で取り沙汰されている裏金の数字のミミッチさ、情けなさにため息が出る。
5年に限った数字を形だけ示して済ませるべきでないのは言うまでもない。
洗いざらい公開せよと迫って「たしかめ」たいのは、実は数字なんかより、政治家たちのモラルと遵法精神に最低の底が未だ多少は残っているのか、という点に尽きる。
底の抜けてしまった闇の中に投げ出されてしまったら、上下左右の判断もつかないし、「まだ まだ これから」なんてとても思えるはずはないのだから。