
平塚らいてうの碑〜伊藤野枝の映画『人よ あらしよ』[2024年02月14日(Wed)]
◆茅ヶ崎市美術館前には、平塚らいてう[雷鳥。本名平塚明(はる)]の記念碑もある。

元始女性は
太陽であつた
真性の人であつた
1911年の『青鞜』創刊において掲げた、日本女性初の人間宣言である。
平塚らいてう(1886-1971)と茅ヶ崎の関わりも、南湖院にある。
らいてうは、ここに療養していた姉を見舞ううち、画家・奥村博史(1891-1964)と相識り、茅ヶ崎に暮らすようになった。
奥村は藤沢の遊行寺近くに実家があり、らいてうの元に向かう出版人とたまたま藤沢駅で知り合い、誘われるままに南湖院に同道したのが二人が出会った最初であったという。
◆永井愛の二兎社が2019年に上演した『私たちは何も知らない』は青鞜社をめぐる女性たちを描いた群像劇だ。らいてうと奥村が語らう砂浜のシーンもあった。
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◆雑誌『青鞜』は伊藤野枝(1895-1923)に引き継がれ、女性解放運動の拠点となってゆくが、その野枝は、1923年の関東大震災の直後、大杉栄とともに甘粕事件の犠牲となった。
震災に乗じて無政府主義者が擾乱を起こすことを恐れた甘粕正彦ら憲兵による虐殺事件である。
教科書で平塚らいてうの名前は知っても、同じ時代を生きた人々のことは殆ど知らぬままであった。
一方で、自由を束縛するものと闘った彼女たちに光を当てようとする人たちの列もまた途切れてはいない。単にこちらが知ろうとしなかっただけだ。
★折から、伊藤野枝を描いた映画『風よ あらしよ』の上映が始まった由。吉高由里子主演(原作は村山由佳)で、TVドラマの劇場版だとのこと。観なければ。