
プーシキン「教訓四行詩集」より[2024年02月07日(Wed)]
◆プーシキンには「教訓四行詩集」という、寸鉄人を刺す短詩群がある。
その中から一篇。
格言の公平さ プーシキン
一本の蠟燭は家のうちをほのかに照らすだけ
もう一本ともしたーーさ どうだ? 家のうちは一段と明るくなった。
いにしえの教えの言葉は正しい
知恵者は結構 でも二人ならさらに結構。
*草鹿外吉訳『プーシキン詩集』(青磁社、1990年)より。
◆家を、共同体や国家に置き換えても通用する話だ。
明君が一人いれば世が治まるなんてことはない。
それを支えるだけでなく、足らざるを補い、時に臆せず諌言する知恵者がいて家も国も明るく平らかだろう。
さて、暗愚の輩が責任ある地位を占めていたら、どうか?
今この国では、「もう結構。」と言わねばならない愚昧ばかりが議事堂の席を占めているので、民草の胸の中は真ックラクラのクラだ。