
若松英輔「永遠の日」(『ことばのきせき』より)[2024年02月01日(Thu)]
◆『新編 志樹逸馬詩集』を編んだ若松英輔さんご自身の新しい詩集が出た。
『ことばのきせき』と題する。
〈きせき〉には〈奇跡〉と〈軌跡〉、二つの意味を込めたという。
愛する人を喪った悲しみから紡がれた〈ことば〉たち、それは自分の内奥から生まれたものに違いないが、同時に、もはや傍らには居ない人から、わたしに向けて届けられた言葉でもある。
さらにまた、信仰の途上において求め、問いかけたことばに、かすかな、しかし実に確かな力と輝きとともに返されてきた言葉でもある。
◆そうした詩の一つとして、志樹逸馬の詩と出会った折の、次のような詩篇もある。
永遠の日 若松英輔
こころが求めていた
言葉に
出会えた瞬間
何気ない日が
けっして
過ぎ去ることのない
永遠の 一日になる
――志樹逸馬(しきいつま)の詩集を読んだ日
若松英輔『詩集 ことばのきせき』(亜紀書房、2024年1月発行)より