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竹久昌夫「鐘」[2023年11月21日(Tue)]



鐘  竹久昌夫


打つ
誰かが鐘を打つ
ふかい眠りのなかで
どこにも吊るされてない鐘を

こうとも言えよう

がらん どうーん がらん どうーん
と 私が鳴り止まない時には
遠い空の頂に
不明の鐘が吊るされているのだ と

私は
この時の私を愛しむ。



森田進・佐川亜紀『在日コリアン詩選集』(土曜美術社出版販売、2005年)より

*竹久昌夫は1939年に韓国に生まれ、1971年来日。2001年、日本で死去。
姜晶中(カンジョンジュン)の名で多くの翻訳書がある。


◆鐘の響きに共鳴する「私」の全存在。
その鐘は遠い空の天頂で鳴っている。

短い詩だが、世界と人間への信頼と愛情を感じさせる。
同時に、それに見合うだけの深い孤独をも。




木島始「のはらのかたすみで」[2023年11月21日(Tue)]

◆「天井のない監獄」の中にも病院はあり、学校もある。
何より、人々の暮らす家があり、愛する家族がある。

それらのすべてを「あった」と言わねばならない事態。
攻め込んだ側の「証拠」と称する映像が、留保付きで流される。
それを検証する手立ての失われた報道では、目を凝らしたところで真実は見えない。
そもそも「ほんとうのこと」を問うこと自体、意味をなさなくなっている。

ここでは、「にんげん」であることは許されていない。

ならば、「にんげん」であることをやめて、
下のように、つかの間の夢を見る自由を。

それすら許されないと言うのだろうか。



のはらのかたすみで  木島始


すみか
うごかないくさのはな
すみか
とばされるままのふうせん
すみか
みせようとしないちょうちょ
かぜに
あいさつされて
そろって
おじぎした


日本現代詩文庫『[新]木島始詩集』(土曜美術社出版販売、2000年)より




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