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パティ・スミス「イラクの鳥」より[2023年11月14日(Tue)]


脈打つイメージと
ループするメロディ
母親の泣き叫ぶ声
わたしたちの子供じみたゲーム。
ちょっとの平和ももらえないの?
ちょっとの平和ももらえないの?
ちょっとの氷ももらえないの?


パティ・スミス「イラクの鳥」より

『無垢の予兆』p.64(東玲子・訳、アップリンク/河出書房新社、2012年)によった。

◆2003年3月20日、アメリカによるイラク空爆が始まった朝、パティ・スミスは窓の外で鳴く鳥を耳にし、バグダッドの鳥たちも爆撃を受けながら鳴いただろうかと考えた。
後に、あるジャーナリストから、その朝バグダッドでは、鳥たちはまるでこれから起こることを知っていたかのように静まり返っていたという話を聞かされて、この詩が生まれたという(詩集の訳者・東玲子の解説による)。

*原詩は270行以上に及ぶ。
イメージが入り乱れて明滅し、時間が反転したり跛行したりする詩行の中から、ごく一部を引いた。

◆散乱する物たち、傷ついた者たちが次々登場しては他のものたちに入れ替わる。
それは粉々に砕けた鏡の破片に映る静かな過去の映像であるようだ。

それらは描写ではない。
次のような一節も、描写ではない。
進行中の事態の内側に当事者として立とうと願う者の想像力が引き寄せた言葉たちだ。

〈爆弾が果物のように降ってくる。〉

〈終わりはない終わりはない。〉





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