
横浜米軍機墜落事故46年[2023年09月27日(Wed)]
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◆鎌田慧氏が1977年9月27日の横浜米軍機墜落事故について書いていた。抄録しておく。
◆平和の中の戦死
基地がある限り平時でも軍隊によって殺される
鎌田慧
27日は、米海兵隊ファントム・ジェツト機が住宅地の真っただ中に飛び込んだ横浜米軍機墜落事件から46年。
2人の乗員はパラシュートで脱出したが、被害に遭った民家の母子3人は全身大火傷。
3歳の長男は「パパ、ママ、バイバーイ」と他界。次男は「ハトぽっぽ」を歌って亡くなった。
母親は皮膚提供の善意を受け、70回もの移植手術をしたが、4年後に死亡した。
この事故はテレビドラマや絵本になった。
基地がある限り平時でも軍隊によって殺される。
日本にある米軍基地の7割を押しつけられている、沖縄の危険性は想像を絶する。
(2023年9月26日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」より)
◆神奈川における米軍機墜落事故はこれだけではない。
1964年9月8日には大和市の鉄工場への墜落で5名が亡くなっている。
同じ日には相模川に米機が墜落して乗員2名が死亡している。
最初の東京オリンピック開幕直前に相次いだ大事故だ。
(同じ年の4月には、神奈川のすぐ隣、町田市に沖縄から厚木基地へと飛んできた米軍機が墜落、市民4名が死亡、30名余も重軽傷者を出している。)
基地あるゆえの市民の犠牲だ。
◆ウクライナ戦争だけではない。パレスチナ、アゼルバイジャン……軍隊を持つゆえの悲劇が相次ぐ。
武器や戦術がどう進化しようと、人間が人間の命を奪う本質は全く変わらない。
対話による解決を目指すはずの国連の機能不全を嘆くより、相手を非難するしか能がない大人たちは、即刻退場してもらったらどうか。
代わりに、カネも力もない子どもたちに最大限の権限を保障し、大人はそれに従う義務を負うことにする。
チト少年*のような子どもが1クラス分ぐらい集まったら、たいがいのことは平和のうちに解決するのではないか?
*チト少年:モーリス・ドュリオン作『みどりのゆび』の主人公。武器を花に、基地や兵器製造工場を緑豊かな花園に変えてしまう不思議な力を持つ。(安東次男訳。岩波おはなしの本)
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