
WBC優勝のことば[2023年03月22日(Wed)]
◆野球のWBC、日本チームは準決勝での逆転サヨナラのドラマに続き、決勝アメリカ戦でも、先制点に追いつき守り抜くチーム力で劇的な優勝を手にした。
大谷翔平投手が迎えた最終バッターがエンジェルスの盟友トラウト選手というのも、天の配剤としか思われない。
◆岸田首相ウクライナ電撃訪問のニュースもすっかり霞んでしまった。
こちらは、発する言葉が紋切り型で、実意も理想も表現できないのだから仕方がない。
◆それに比し、勝利インタビューの大谷翔平選手の言葉は強く印象に残った。
(「これで日本の野球がますます世界で注目されていく」と振ったインタビュアーに対し)
「日本だけでなく、韓国もそうですし、台湾も中国もまたその他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかったかなと思いますし、そうなってくれることを願っています」
「ニッポン、すごい」で終わらせないこの言葉には、あまたの外交官が束になっても敵わない力がある(すでに韓国や中国のメディアが反応している)。
◆栗山英樹監督の選手への信頼が揺るがなかったことは多くの人が指摘している(村上宗隆選手が本領を発揮するまで主軸として起用し続けたことなど)。
もう一つ、代表監督としては、継投などの選手起用にも最大の注意を払ったのだろうと推測する。この後すぐ、どの選手も各所属チームの柱として新シーズン開幕に臨む、この大会がその最良の助走ともなること。そこまでを見据えていたように思える。
監督の信頼が選手たちの力を最大化したことは確かだろう。