222時間ぶりの生還をもたらしたもの[2023年02月16日(Thu)]
◆16日、トルコのカフラマンマラシュで、倒壊した瓦礫の中から42歳の女性が救出されたという。
実に丸10日近く、222時間ぶりの生還に、救助隊の人びとの目からも涙があふれていた。
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奇蹟とは
水の上を歩くことではない
いま
この地上を
歩いていることだ
◆チベットの僧の言葉として加島祥造が『LIFE』(PARCO出版、2007年)で紹介している。
水の上を歩いたというキリストの奇蹟よりも、今私たちがこの地上を歩いていること、この大地に生を享けて存在している、という事実こそが大変な奇蹟なのだという認識――当たり前に見えることが、実は数限りないほどの偶然や幸運の集積として実現しているのだとつくづく知ること――それは人間の良き魂を高揚させると同時に謙虚な沈思にいざない、次いで他者のために全霊を傾ける持続的かつ協働的な力となる。