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ゲルステッド「九月の逍遙」[2022年09月08日(Thu)]


九月の逍遙  ゲルステッド
              山室静・訳

いま、風は落ち
いま、雨は黙す
九月の明るさが
野の上にある

清らかな色
われに響かい
外なる世界は
魂にせまる

私は喜んで耳を傾ける
事物の言葉に
だが、悲しみの火は
かれもひやしてはくれぬ

かくも輪郭あざやかに
謎なく
かくも世界は明るいが
恩寵はなく。



篠田一士・監修『ポケット 世界の名詩』(新装版。平凡社、1996年)より

ゲルステッド(Otto Gelsted 1888-1968)はデンマークの詩人、ジャーナリスト。

◆昼の明るい光も、夕刻の、紗でおおわれてゆくような陰影ゆたかな光も、秋だと確かに告げている。

ものたちが放つ九月の光とともに聞こえてくる言葉――魂が耳を傾けているからこそ確かにそれは聞こえている――なのに「私」の裡には「悲しみの火」が消えずにいる。ある喪失ゆえの、烈しくはないのに決して冷めることのない「火」が静かに燃えている。
その「悲しみの火」があるために、外は明るいのに、私の「魂」を照らすことも暖めてくれることもない、そう言っているようだ。


◆上の詩に出会った今日は、「国葬」をめぐって「国会閉会中審査」が行われた日であった。

キシダ首相は依然「国葬儀」と言い、その意味するところを分かるように説明する気はないことを再確認した日でもある。
説明できないものを説明しているフリだけが演じられてゆくだけの、国会を開かない憲法無視状態が続くなかで、誰が"哀悼の誠"――故人が偏愛した言葉――を捧げるというのだろう。


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