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永野厚男「教育の国家統制強める文科省」[2022年07月21日(Thu)]

◆故安倍氏の「国葬」問題、各界から反対の声があがっている。コロナ第7波に見舞われているなか、医療の拡充に向けるべき税金を費消する愚かさに加え、国民への弔意を強制する意図が露わである。とりわけ教育への悪影響が懸念される。

国家による教育統制は教育を掌る教職員への新たな負荷としてまず出現する。
働き方改革により負担軽減が主眼だったはずの教員免許更新制廃止が、実は人事評価に結びつけた研修によって教職員をさらに縛り上げる道に向かいつつある。

『週刊新社会』に掲載の教育ジャーナリスト・永野厚男氏の記事を転載する。


*******


教育の国家統制強める文科省
 〜教員免許更新制廃止するも研修強化徹底〜

      教育ジャーナリスト 永野厚男

自民党などの保守政党と文部科学省による小中高校等への国家統制策は、「学習指導要領よる”君が代・愛国心”強制等、教育内容への介入」、「職員会議の校長補助機関化や主幹教諭制等“中間管理職”設置での上意下達徹底」に加え、「教員研修強化」がある。


歴代政権の教員研修強化策

教員研修は次の3種が、既に法定化している。

@中曽根政権の臨時教育審議会答申を受け1988年5月に教育公務員特例法(以下、教特法)等を改悪し新設した「初任者研修」(新任教員に週10時間、年間約300時間の校内研修、年約25日の教育センター等での校外研修を強制)
A岸田文雄首相が文科副大臣当時、教特法を改定し03年度から導入した「10年経験者研修」(のち第2次安倍政権が教特法を再改定。17年度から「中堅教員等資質向上研修」に)
B第1次安倍政権が07年6月、教特法を再改定し指導力不足等教員を現場から外し実施する指導改善研修

「Aの屋上屋だ」等の反対意見を無視し、第1次安倍政権は07年6月、教育職員免許法を改定し、09年度から教員免許更新制を導入。10年ごとに大学等で30時間以上の免許状更新講習を受講しないと、失職するシステムにした。
第2次安倍政権は16年11月、文科大臣が「公立学校の校長・教員の計画的かつ効果的な資質の向上を図る」ため定める「指針」を、任命権者(注、都道府県教育委員会のこと)は「参酌」し、「校長・教員の研修を奨励するための方途その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない」等、教特法を再々改定した。

教員免許更新制施行後、文科省は10年以上、教員の負担増の状態を放置し続けたが、20年10月の中央教育審議会の部会等で、教職員組合やPTA代表に加え教委幹部からも廃止を求める意見が続出。
岸田政権は今年5月、教育職員免許法を再改定し「教員免許更新制を7月1日、発展的に解消する」代わりに、教特法を更に改定し、「教委が管轄する学校の全教員の研修履歴を作成」し、当該履歴を“活用”した「資質向上に関する指導助言等」を強化する、とした。


教員は校長と力関係で対等ではない

文科省はこの具体的な内容や手続き等の運用を定める「ガイドライン案」(以下、「案」)を7月1日、HPに公表した。

「案」は「研修履歴を活用した学校管理職等との対話に基づく受講奨励」をキャッチフレーズにし、「研修を行った結果として各教師が発揮した能力や挙げた業績については、人事評価の対象となる」と明記し、「対話」の場として、「地方公務員法の規定により行われる人事評価での期首面談や期末面談」を明示している。

だがこの面談は、多くの学校が「評価者である管理職(校長・副校長・教頭)2名以上」対「被評価者の教員1人」で行っており、力関係で対等ではない。教員が望まないのに校長が特定の“研修”を強制してくる危険性がある。
現に「案」は、「期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合」「勤務上の支障がないにもかかわらず、必要な研修に参加しない場合」に「職務命令を通じて研修を受講させる必要もある」と述べ、従わない場合の懲戒処分にまで言及している。

次に「案」は、「期末面談」時、「資質能力がどれくらい身につけられているかを確認・共有する」と、校長が教員にテストを課しチェックするかのような記述をした。これに対し、6月27日の中教審特別部会(部会長は渡邉光一郎・日本経団連副会長)で、複数の委員が「教員に過剰な負担をかけず、雁字搦(がんじがら)めにせず、もっと伸び伸びと」等、文部官僚を諫(いさ)める発言をした。
また、「案」は「研修履歴の必須記録」の対象を@〜Bの法定研修はもとより、「教委が職務研修として実施する研修、校内研修・研究」など、挙げている。


教育研究集会は職免認めず

「校内研修」は20年以上前まら、教員の反対があっても校長が文科省や教委の研究指定校に応募したり、教委が一方的にテーマを押し付けてきたりするケースが少なくない。このため教員自らが希望しないのに「悉皆(しっかい)の校内研修」に参加を強制される危険性がある。

なお「案」は、研修履歴の記録対象に「民間企業等の研修コンテンツ」も明記し、教特法第22条2項の定める「職務時間内でも授業に支障のない限り、校長の承認を受け勤務場所を離れ研修できる職務専念義務免除」の形態(職免研修)で参加できる書きぶりをしている。しかし00年頃まで職免研修で参加できた教職員組合の研究集会等は今、全ての教委管轄下の学校で、「年休又は勤務時間外」でしか参加できず、差別だ。

文科省はHPで7月29日まで「案」に対するパブリックコメントを公募している。読者の方々に応募をお願いしたい。

『週刊 新社会』2022年7月20日号より

◆◇◆◇◆◇◆

文科省の《教師の資質向上に関する指針・ガイドライン》への意見募集告知は下記
 *ともに締め切りは2022年7月29日

文科省サイトの告知ページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/mext_01933.html

応募フォームは下記総務省のページへ

教師の資質向上に関する指針・ガイドライン

公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針改正案
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001243&Mode=0


研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドライン案
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001244&Mode=0


パブリックコメント応募フォームは上記の総務省サイトにそれぞれあり、直接入力・送信できます。
意見公募要項、「ガイドライン案」およびその概要をまとめた「ポイント」も上記ページからダウンロード・閲覧できます。






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