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一票行使まで封殺されるな[2022年07月08日(Fri)]

テロリズムが言論(政治・メディア・市民)を封殺する社会に未来はない。

言論が信頼に値せず、現実をより良いものに変えることが信じられなくなるとき、暴力にモノを言わせることになる。そうした考えに屈しないためにも、目の前の国政選挙によって、まず政治を言論の府として機能するものに回復させなければならない。

メディアもまた、「モリ・カケ・サクラ・クロ・カワイ」を封印・閑却したかのような腰の退け方を改め、真実追及の言論空間を広げなければならない。

市民は――一票の行使、真の敵を見誤らないために政治とメディアへの注視を怠らないこと。現実がヒドイからといって未来を諦めず、オカシイことはオカシイと言い続けること。



ブローティガン〈詩五篇から〉1/忘れられた事物のカーブの線[2022年07月08日(Fri)]

〈詩五篇から〉

1/忘れられた事物のカーブの線  
        リチャード・ブローティガン


事物はゆっくりとカーブを描きながら
視界から消える。あとには
   そのカーブの線だけが
   残っているよ。


中上哲夫・訳『リチャード・ブローティガン詩集 突然訪れた天使の日』(思潮社、1993年)より


◆MLBの野球中継を見ることが増えた。時々ピッチャーの球筋がCGで再現されることがある。上の詩に似ていると思う。

◆この詩は「歴史について」、あるいは「記憶について」という題名でもちっとも構わない、そう思える。

事物はどれも視界から消えて行く。いま元気に活躍中の人間も例外ではない。
ただ、その軌跡だけが残る――それを見た者が存在し、思い出してくれる限りにおいて、だ。

言い換えるなら、後に残る者が記憶し、それを思い出してくれない限り、歴史などない、ということになる。

従軍慰安婦や強制労働など、かつての日本が植民地に対して行ったことを教科書から消そうとする政府の行為とは、だから歴史を修正しているどころか、歴史を抹殺しているのだ。誰もが「消える」。だが「消される」のだったら、それは殺されることにほかならない。

その時「殺される」のは、カーブを描いて消えた人間と、そのカーブを見つめていた人間の両方だ。そうして、そのカーブは人間の歴史が続く限り、未来にどこまでも受け継がれるはずだったものだ。従って、歴史を抹殺することは、未来に生きるはずの人間をも殺戮することだ。


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