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木村孝夫「平和の危機」[2022年06月10日(Fri)]


平和の危機   木村孝夫


試験官が歩いている
無表情で、ときどき
鋭い視線を投げかけてくる

解けない問題の前で
思考と思考が凍り付いている

試験官の吐く息は白い
鉛筆の芯が一本折れた、しばらくしてもう一本
開場の雰囲気と寒さに弱い
鉛筆の芯

白紙の箇所はまだ残っている
苦渋する顔がその上に被さる

答えを持たない問題を何度も読み返す
試験官の靴音は
秒針のように答えを急かしている

大きな音を立て三本目の鉛筆の芯が折れた
会場が大きく揺れ動いた
「静粛に」と
試験官の一声に体が熱くなった

亡くなった祖父から聞いた
軍靴の音をふと思い出した
思考の中を横切って行く過去にあった事
白紙の箇所が汗ばんでいる

四本目の鉛筆の芯が
白紙の上を行ったり来たりしながら
軍靴の音を遠ざけようとしている

最後の芯が折れるまでに
「平和の危機」について
解答を書かなければならない
今ある平和が崩れてはならないから



木村孝夫詩集『十年鍋』(モノクローム・プロジェクト、2022年)より

*******

◆一月の共通テスト同様の不正受験が一橋大の留学生試験でも行われていたことが判明した。
やはり試験時間帯に隠し持ったスマホで撮影した問題を、協力者から教えて貰う手口。今回のは答えをイヤホンで受けていたようだ。

正解が想定された問題を解くことに慣れた安直な頭が、平和の危機という難題に立ち向かうとは思えないけれど、それにしても大学、官庁、政界と、我欲充足に頭を使う者ばかりの世だ。

◆アベ政権下の桜を見る会前夜祭へのサントリーによる酒類無償提供問題、市民による刑事告発となってようやくNHKや読売新聞も報じることになった。

通常国会閉幕が間近になり政権党への迷惑も最小に抑えられるタイミング、ここにも頭を働かせたフシが見える。

頭は生きているうちに使うものだけど、死に体に乗っかったイワシの頭ではナァ。



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