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境節「とぶ」[2022年05月26日(Thu)]


とぶ   境節


今日(きょう)
空飛ぶ象になって
少女とたわむれる
象は いつのまにか
少年を乗せている
はるか遠く
記憶さえ無かった頃に戻っていく
昨夜から ねむっていたのに
朝 目をさますと
ねむっていなかったような
からだ
からだは 空(から)っぽのままで
空まで
とぶ



境節(さかい せつ)『十三さいの夏』(思潮社、2009年)より



◆この詩を読んで、そう言えば、近ごろ空を飛ぶ夢を見なくなったナと思った。
従って段々飛ぶ力を失って落下する夢も見ない。
「未成熟」というものをどこかに取り落としてしまったような気がする。

至るところCGが施された映画では、水中から、はるか遠くの宇宙まで、行けぬところはないかのようだし、実景の方も世界各地の街々は言うに及ばず、奇岩奇勝の連なり、雲を下に従えた高峰に至るまでドローン映像で見せてくれる時代になってしまったからだろうか。

◆自分が鳥のように飛んでいる夢を見る代わりに、鳥のほうが登場する夢を見るようになった。
今朝方も、現実にはいなさそうな姿と色合いの鳥たちが数羽、木に群がっていた。畑のへりを縁取る雑木が続くあたりだった。

鳴き声は聞こえず、カメラを向けても警戒する風でもない。

一羽は黄色い頭部と灰色と茶色で塗り分けたような体を持つ、鴨ほどの大きさ。
――吉兆だと良いのだが。



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