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NHKスペシャル「沖縄返還・日米の暗闘」[2022年05月15日(Sun)]

◆沖縄返還50年をめぐるドラマやドキュメンタリー番組が続いている。

◆15日夜のNHKスペシャル「沖縄返還・日米の暗闘」を見た。
今、この時期で、この程度の内容かと思い暗澹たる気分になった。

新聞の番組表に「発見! 交渉の音声記録」とある通り、600時間に及ぶという録音資料「発見」が目玉なのだろうが、それを、これまでの研究やドキュメンタリーが明らかにし、積み上げて来た事実とどの程度突き合わせたのか、番組だけではどうもはっきりしない。

◆返還交渉に携わった人々は故人も多く、インタビュー映像には収録年が付されている。しかしその証言を、2022年現在の問題意識から見てどう位置づけようとしているのか、番組を作った人間の問題意識がはっきりしない。

◆外交を担っていた日本側スタッフの証言を聞く限り、日本側はアメリカの戦略や思惑をつかめぬまま、基地の撤去や縮小など「とうてい無理」という先入観に立って交渉していた印象だ。

というより、そもそも「交渉」と呼べるものであったのか、という疑問すら湧く。
「外交」不在のまま、アメリカからの経済・貿易上の諸要求を悉く受け入れて、対米従属からいよいよ抜け出せないのに、日米関係を対等なものであるかのように装って見せることに腐心して来たというのが実態だ。

◆基地も核兵器も、結局は容認し、反対する声はすべからく抑え込む、もしくは諦めへと誘導する。
日本政府の代弁者であるかのように番組が繰り返すのが「厳しさを増す安全保障」というフレーズだ。番組冒頭と結びのナレーションで繰り返される。

番組最後のナレーションをそのまま引こう。

「日本を取り巻く安全保障は厳しさを増しています。沖縄には 今も在日アメリカ軍施設の7割が集中しています。返還交渉によって決定づけられた 沖縄が大きな役割を担い続ける日本の安全保障の形。そして今日まで続く日米の関係。今日沖縄が日本に復帰して50年になります。」

◆「安全保障は厳しさを増している」⇒《だから基地は必要なものとして呑み込むしかない》
これでは国民は突き放されたに等しい。
「決定づけられた」のは「大きな沖縄の役割」であり、「日本の安全保障の形」であり「今日(こんにち)まで続く」「日米の関係」である、と言っているのだ。

《沖縄の負担は今後も変わらず大きいままで》《米軍による日本の基地の自由な利用》《米国にとって有用な自衛隊および日本国民力による軍事上の全面的な協力》のもと《日本の対米従属を維持する》こと、それは決定済みの路線なのだ、と言っているに等しい。

番組の中に以上の《 》内の実態について批評的な文言が一句だに述べられていないのだから、暗澹とするほかないではないか。

◆このナレーションの前の部分で、沖縄返還の翌年、ホワイトハウスで再会した佐藤栄作首相とニクソン大統領との会話録音が流れる。沖縄返還以降の日米関係について、意味深長なやりとりと言えるものなのだが、ナレーションはコメントを付けない。それどころか聴き取りにくい音声にかぶせるように、情緒的な音楽を流している始末だ。

視聴者に想像力や批判力を働かせてほしくないかのように、そのあとに続けて先述のナレーションが流れる。

◆番組の結び、番組制作者のメッセージがくみ取れないことはないシーンがあった。

――公園で遊ぶ子どもたちの中に、両耳を手でふさぎ顔を歪めている一人の幼児、続いてカメラは上方にパンし、頭上を飛ぶオスプレイの姿――

説明不要の映像ではある。
だが、思う。
――幼き者に訴えさせるなかれ、情緒に寄り掛かるなかれ、言葉でキチンと訴えよ!



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