
親松英治さん「原城の聖マリア観音」完成へ[2022年05月14日(Sat)]
◆彫刻家・親松(おやまつ)英治さんが40年をかけて制作してきた聖母子像が完成に近づき、藤沢市みその台のアトリエで公開されていると知って、拝見してきた。(公開は5月14日&15日の二日間、9時〜17時まで)。
島原の乱の殉教者を慰霊するために作られた、10メートルほどもある巨大な木彫りの像で、数年前に新聞で紹介され、一度見たいと思っていた。
その折りの記事では、原城跡のある長崎県南島原市にいったん寄贈が決まったものの、市民の一部から「政教分離に反する」との反対の声があり、実現が危ぶまれていた。
その後、同市の有志が「南島原世界遺産市民の会」を立ち上げ、マリア像を納める建屋用地を提供する地主さんも現れて、この6月に完成予定の建屋に移送・設置の運びとなったという。
この部分だけで7m近くあるだろうか。
3mの台座に載せて全体は10m近くになるとのことだ。
材はクスノキで、輪切りにしたクスノキを組み合わせる校倉造りを考案し制作したという。
◆上の説明文によると、最初に制作を決意したのは、1981年、ローマ教皇、ヨハネ・パウロ2世が長崎を訪れた時とのこと。
結びの文章を下に起こして置く。
制作中絶えず念頭にあるのは、島原の乱に倒れたキリシタンの3万人とも3万7千人ともいわれる罪なき人々のことです。
鉛の弾を鋳て作った十字架を握り、餓、寒さ、血と恐怖の中、聖母マリアの名を呼びながら息絶えた人々へ、この像は私の捧げるレクイエムです。
木肌は目に優しいだけでなく、見る者の全身に働きかけてくる香気のようなものがあるように感じた。巨像を間近に見られたことによるのかも知れないが。
◆朝日新聞(5月8日)の記事によれば、聖母子像は親松さんによって「原城の聖マリア観音」と命名された由。
★タウンニュース(藤沢版。5月13日)のリンクを下に張っておく。
【みその台 親松英治さん 木彫のマリア像 長崎へ 「一生の仕事」40年かけ完成】
⇒https://www.townnews.co.jp/0601/2022/05/13/625144.html