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城侑「工事場」[2022年05月02日(Mon)]

◆地元の古書店で、少し前にさるアンソロジーで読んだ詩人の詩集を見つけた。
今回も、不思議な印象の詩に出会った。

*******


工事場   城侑(すすむ)

歩道に立ちどまり
工事中の
高層ビルを下から見ていると
鉄の骨と骨のあいだに
人間は非常に小さい
そのうしろに
唯白く 限定された空がある

その人は
高いところで
鉄の骨にまたがって仕事をしているが
足の下にも空が見える
それは
踏みはずして落ちる人を
受けとめることのできない空間である

ぼくは歩道にながく立って
発達した鉄筋の組合わせのなかで
小さくなって
働く黒い悲しみを見ていた
そしてまた
小さくはなりきれず
落ちてしまう人について考えていた

 『定本 城侑詩集』(青磁社、1988年)より


◆高層ビルの建築現場で目を留めた、一人の人間。
高所で働く人間が足を踏みはずして落ちたりしてはならないのだが、その人が落ちてしまうさまをまざまざと思い描いている。

不謹慎な想像ではある。だが、落下があり得るのに、それを受けとめる者がいないのは事実だ。

地上にいる人間たちの足もとも、実のところ盤石なわけでは全くない。
そう思い至って肝が冷えてくる。



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