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日下新介「盲目の魚」[2021年11月13日(Sat)]

◆江ノ島水族館の魚をうたった詩があった。
ここに登場する魚、そう言えば、だいぶ以前、江ノ島で見たように思う。

今もいるだろうか?


***


盲目の魚  日下新介


江ノ島水族館で珍しい魚を見た
メキシコの鍾乳洞に住んでいる
ブラインド ケープ フィッシュという
金魚のような薄桃色の可憐な魚だ
その名のとおり
眼のない種(しゅ)である
光のとどかない暗闇の中の
長い進化の過程で
眼を必要としなくなったのだ
からだのどこに探知機をそなえているのか
障害を避けてすいすいと泳いでいる
かつて
ぼくらの少年時代
目潰しをくらったように
この世は真っ暗で
靖国の道だけがあかるかった
幾百万の人々がこの道を通っていって
ついにもどってこなかった
そこには犠牲をしいた輩(やから)も祀られている
その社(やしろ)
日本の首相がお参りするという
新しい時代つくる ぼくら
二度と
ブラインドを降ろして
ケープ(洞穴)にこもる
盲目の魚にはなるまい



『日下新介全詩集』(コールサック社、2014年)より


◆「ブラインド・ケープ・フィッシュ」の画像は、ネット上でたくさん見ることができる。
それらに添えられた解説の中に、なぜこの魚が眼を失うに至ったか、理由を紹介しているものがあった。

それによると眼の退化は、エネルギーを節約するためだったという。
逆に言えば、生きものにとって、眼は相当にエネルギーを必要とする、ということらしい。
日々生起する出来事に無関心になったりするのにも、同じ心的機序が働いているということか。




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