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窓の詩その3:日下新介「自由はいまも……」[2021年11月10日(Wed)]

◆続けて窓の詩をもう一つ。
ただし、昼の光に顔を向けるための、開かれた窓だ。



自由はいまもまもられている  日下新介



窓を閉めるな
小鳥たちが歌い
太陽が輝くあいだ
あなたの窓を閉めるな

――あなたの解放された窓

窓の外側を流れる黒いうた
かなしみのうた
すべての死者のうた
獣のうた 屈従のうたに
窓はゆれ
愛する国土はゆれ
激しくあなたの胸をゆすり

そのなかで
あなたがえらんだ美しい意志をささえ
自由と平和を守りとおすことについて
わたしたちが希望を語りあうことの出来るあいだ
窓を閉めるな
窓枠が朽ちはてようとも

その最後の日まで
傷ついたあなたの瞳のおびただしい涙があふれ
窓の外側にまであふれ
窓…… 窓に流れようとも
あなたの美しい意志を窓になげかけ
窓は常に大きくひらかれていなければならぬ



『日下新介全詩集』(コールサック社、2014年)より


◆作者は福井県に生まれ、北海道で教員生活を全うした人。
平和運動、とりわけ核兵器廃絶運動に取り組み、ズバリ『核兵器廃絶の道』という詩集も含め世に出した全詩集9冊がある。
ここに紹介したのは、詩集未収録の詩篇から。

◆しばしば「目は心の窓」と言われる。主としてその人の内面を外から窺いうるものとして使われる。
しかし、そもそも目という窓は、外の世界を見つめるためにあるものだ。
なのに、傷つきやすい魂にとっては、窓を閉ざして光も風も閉め出したくなるほどに、外にひろがる光景はたえがたく酸鼻を極めることばかり。
涙はそれを見ないで自分を衛(まも)るしくみなのかも知れない。

だが、希望を語る声が聞こえる限りは、「窓を閉めるな」という励ましの声に応えてくれますように。




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