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色川大吉氏逝く[2021年09月08日(Wed)]

◆歴史学の色川大吉氏が9月7日、亡くなった。享年九十六。
「五日市憲法草案」の発見に代表される民衆の歴史への熱い眼差しは現代の歴史教科書の多くに受け継がれている。

◆高校時代に『日本の歴史 21 近代国家の出発』(中央公論、1966年)を読んで感銘を受けた。
修学旅行で奈良や京都の社寺を見学して感じた、ある種の違和を解く手がかりを示唆されたように思う。

上京して小平市にある学生寮に暮らした1973年、同室に、色川氏が教える大学に通う学生がいた。ほのかな羨望を覚えたほどであったのに、モグリで聴きに行く図太さも持ち合わせない世間知らずの生学生(なまがくしょう)であった。

◆数年前、憲法学の樋口陽一氏とともにTV番組に出演されていた。アベ政権による安保法制の違憲性を考えるべき時機に、自由民権運動を進めた民衆の力を想起させるものだった。

心からご冥福を祈ります。

*****

◆色川大吉氏の1976年のエッセイから――

今日、もっとも重要な課題は人類がいかにしたら永続できるかということである。そのための根本要件は、先進大国の国民が今の生活水準を大幅にひきさげ、進んで消費生活を抑制し、余分を更新諸国の大衆と分ちあう精神をもつことであろう。これは言うは易くして行うはたいへん難い。だが、そのことに取り組まないかぎり、愚劣な核戦争を誘発するエゴイズムの根を絶つことはできない。日本人は敗戦と極度の耐乏生活という貴重な体験を原点として、先進大国の自己抑制の運動の最初の提唱者となりうるはずである。この地表に溢れた人類は、より高級な技術が完成するのを待っていることができず、今すぐ食糧や薬や住居や安住の地を求めているのであり、そのために毎日のように世界中のどこかで武力衝突が起っている現状である。
人類の破滅に向うスピードの方が早いか、科学技術や政治上の抑止技術の成長の方が早いか。歴史家としての私の判断では、現状は破滅過程の勢いの方が後者をはるかに上回っている。だからこそ、私たちは自らの手でこの勢いを阻止することに力を尽くすのだ。そのさい、私たちを勇気づけてくれる思想上の原点として八・一五の原像はあざやかに浮び上る。八・一五をさえ耐えぬくことができた私たちに、今の困難を突破できないということはない。


「8・15を消滅させてよいか」(『わだつみの友へ』岩波同時代ライブラリー、1993年)より


***
〈関連記事〉
【2017年12月2日記事】
学徒出陣と色川大吉
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/698

色川大吉の「日本の歴史 21」
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/699

【2017年12月3日記事】
藤沢市羽鳥の耕余塾
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【2017年12月4日記事】
小笠原東陽と耕余塾のその後
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