敗戦・コロナ禍・靖国参拝[2021年08月15日(Sun)]
◆ようやく2回目のワクチン接種完了。
デルタ株や上陸したラムダ株に太刀打ちできるのか不明だが、ともかくもスカ首相が高齢者への接種を7月中に完了すると宣言して果たせず、80%が済んだらしいことをもって「ほぼ達成」と自画自賛して見せたことの例外がここに少なくとも一人いることの証拠として、ここに記し置く。
◆接種完了が奇しくも8月15日の敗戦の日となった。
市の広報スピーカーによる黙禱要請放送は、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキについで今日15日も行うのが恒例で、時間も正午と決まっている。全国戦没者追悼と足並みを揃えているわけだが、これは終戦を告げる玉音放送の日と時刻に揃えたわけだから、天皇が読み上げる詔書を臣民が謹聴する光景の残像を戦後76年経っても引きずっていると言える。
日本敗戦の日はポツダム宣言受諾の8月14日とすべきという意見もあり、また米艦ミズーリにおいて降伏文書に調印した9月2日とすべきとする声もあるが、そのことは置いて、雲の上の現人神が肉声で語る声に森厳な気分を味わった(であろう)日時に黙禱する習慣には、戦前と地続きの精神風景がひろがっていると意識せざるを得ない。
この日を避けて13日に靖国参拝に及んだ岸信夫防衛相いわく、「8月15日に対する思いはもちろんある」と。特別な思い入れを支えているのが敗戦までの天皇制であることが想像される。
やはり13日に現職閣僚で参拝した西村康稔経済再生相は、コロナ担当大臣として「ステイホーム」を国民に求めていることとの矛盾を批判されているが、昨年11月には「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……」と言い放った人物だから、今さら驚くには当たらない。「神」を持ち出して自らの責任は棚上げにしているのだ。
その他、萩生田光一文科相、小泉進次郎環境相、井上信治万博担当相らも今日15日に靖国参拝したという。
国の敗亡も戦後の対米従属も認めないのでそうしたことができる。
失われた命が目に入らなければ、国が破れたと意識することもない。
ウイルスとの闘いについても同じだろう。