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明日は?[2021年08月07日(Sat)]

◆感染爆発の中、医療につながることができず自宅で命を失う人が出始めた(都内の50台女性)。

五輪に合わせた連休の恣意的な設定のおかげで、この数日、必要な医療資源が滞ることも危惧され、医療の現場では、もはや通常の医療は供給できないと悲痛な声があがっている。

(藤沢市でも連日70〜80名の新規感染者。仮に罹ってしまっても入院できないと腹をくくるしかない。)

閉会式に臨む人々は、それでも笑顔をふりまくことができようか。


× × ×
 × ×




ここ   鈴木ユリイカ


ここでは 午後になると
渇いた見えないひとが 橋桁から下の水を
飲みにくる
バスに乗って橋を渡るときも それがわかる
緑いろの苔が橋桁に現れ あんなに水がなくなる
かれらが あんなにたくさん水を飲むのだろうか?
六十年たったいまでも
ここでは ビルの前に椎や楠や銀杏などの
美しい巨木が舞台俳優みたいに並んで話している
かれらは見えないが
風のなかで 世界を連れてくる
やがて 世界が眼を覚ます

ここでは 地下で
あの人たちの写真が撮られ
十秒であのひとたちは 蒸発した
蒸発した? 蒸発したということは
かれらは ここにもどこにもいないということ?

ここでは かれらは
どんなふうに水を飲むのか?
海のしずく くちぼそと立ち話をしているのか?
島まで泳いだひともいるのかもしれない

六十年たったいま ここでは
暗い窓辺で ほのかに白く動く
雪の睫毛の 石の睫毛の
ほのかに白く動く
かれらを感じることがある

かれらも年をとっただろうか?

宇宙の大きな目のなかで
わたしが見たものはわずかだ まだ
時の炎が燃えている



鈴木ユリイカ『サイードから風が吹いてくると』(書肆侃侃房、2020年)より



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