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李光洙(イ ヴァンス)「光」「心」[2021年06月28日(Mon)]


光   李光洙(イ ヴァンス)
        時鐘金・訳


万物は光に因(よ)って一つ。
衆生(しゅじょう)は心でつながって一つ。
心のない衆生があっただろうか?
光のない万物があっただろうか?
土からも水からも光は生じる。
もしも燃えるとなれば総身のすべてが光。

太陽と私(わたくし)
ある限りの星とわたし、
光と絡まって一体ではないのか。
牛とわたし、犬とわたし、
心でつながって一体なのだ。
心が縺(もつ)れて体、体が燃えれば心の光。

恒星の光もひっかかるところがあり
赤外線もX線もつかえるところがあるにせよ
願うことのない心の光は十方(じっぽう)*を隈無く照らせ。


*十方=東西南北の四方と、北東・北西・南東・南西の四隅ならびに上・下の総称。



金時鐘『再訳 朝鮮詩集』(岩波書店、2007年)より



◆李光洙(イ ヴァンス 1892-1950)は両親をコレラで失い孤児となったという。1905年および1915年に渡日して明治学院中等部、早稲田大学哲学科に学んだ。帰国後長編小説「無情」を発表し好評を得た。雑誌・新聞で活躍。1940年、香山光郎と創氏改名し学徒動員演説も行うなど、植民地支配に同調したことから八・一五(解放)後反民族行為処罰法によって拘束されるも病のため保釈。朝鮮戦争時に拉北され長らく生死不明だったが、満浦で病死したことが確認された。(金時鐘による詩人略伝から)

◆孤児としての生い立ちもあるのだろうか、若き日に東学党(天道教)に入り、最初の渡日も天道教の活動を担い親日的だった一進会の推薦によるものだった。
民族の自立を求める運動、日本の植民地政策への協力、さらに悲運の死に至るまで、近代朝鮮の激動を一身に体現した生涯であったことがわかる。

◆『再訳 朝鮮詩集』には八篇を収める。民族の未来を憂え活動した生涯から想像されるように、感情の激しい振れ幅を表現した次のような掌篇もある。


心   李光洙(イ ヴァンス)
        時鐘金・訳

すっからかんだ!
なんにもなし!
その中からふと湧き上がる雲ひとむら。
雷、稲妻と変わって
風、雨をつのらせ
あげくは またも
すっからかんだ!
なんにもなし!




 
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