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〈明日を畏れることから今日が始まる〉[2021年06月09日(Wed)]


放課後  谷川俊太郎


窓際で詩が少年の姿をして言葉を待っている
校庭に男女の生徒たちが静止(フリーズ)している
少年には瞬間の奥行きが見えているのだが
そこに何がひそんでいるのかは知らない

ここに生まれてきて十数年
まだ青空も白い雲も少女たちも新鮮だ
少年は世界がここにあることが不思議で
平気で生きている人々になじめない

これからどうなるのだろうと考えると
すべてがまた激しく動き始める
和音に乗って旋律がからだに入ってくる
明日を畏れることから今日が始まる



『詩に就いて』(思潮社、2015年)より


◆「世界がここにあることが不思議」だと思い、「平気で生きている人々になじめない」人間は、いつまでもその感覚を抱えて行くだろう。
世界やそこになずんでいる人々への違和を見失わずにいることが、どうでも良いこととは思えず、それに苦しむことが少なくないとしても。

◆違和感とは地平にできた僅かな段差のことだ。ミリ以下の段差でも鋼球が転がって行くには十分だし、ひとつの水滴が動き出し、やがて流れに成長する力をそれは生む。

◆「明日を畏れることから今日が始まる」――〈畏れること〉のこうした遣いかたは適切で好きだ。

国会で党首討論があった。
「明日を畏れること」など知らない首相のもとでは「今日」という大事な一日が始まることは、ない。
「終わっている」――そう感じる人々の間に違和感はないだろう。





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