情報不足の「情報」サイト[2021年05月22日(Sat)]
◆スマホに「ワクチンマップ」なる情報提供サイトがあった。
スマホで新しい情報でもあるかと思ってアクセスしてみた。年齢、基礎疾患の有無を入力。居住地はスマホの位置情報によるので入力する必要はない(上空から電波が見張っているのかと思うと良い気分ではないが)。地図と接種病院のマークはすぐ表示された。
しかし、いつ自分の番が、という肝心な点については分からない。
〈順次開始されます〉と、ワクチン大臣みたいなコメントが画面に書いてあるだけである。要するに何も教えてくれないに等しい。
その下には「接種券配布」および「接種予約」ともに〈最新情報確認中〉と表示された。これまた、「情報はありません」の言い換えでしかない。
要はそのサイトが提供してくれる新たな情報は何もないのだった。
◆藤沢市はかかりつけ医方式で、接種可能な医療機関のリストが配られただけで、それ以上の積極的な広報活動はない。ホームページでこちらが進捗状況を確認しない限り情報は得られない。
かかりつけのクリニックで打てることはリストで確認したので、予約券というのか、通知が来るのを待っている状態で、近隣他市に比べて遅い。
◆二、三日前に藤沢市のホームページで確認した時には、81歳までは接種券発送済み、ということだけだった。
同じ日に、かかりつけのクリニックに行ってみたら、80歳以上かと思われる方たちが何組か待っていた。
受付の看護師さんの話では、当方の年齢だともう暫くかかるだろうと言う。
ひと月ぐらいでしょうか?と訊くと、まァそのくらいでしょう、という返事。
他市の、接種会場を下見に行くとか、予約方法が周知されず混乱をきたしているとかいう話に比べれば、のんびりしたものである。
だが、自分としては、政府が余りに「由らしむべし。知らしむべからず」の姿勢なので我が市もそのやり方に右ならえしているのではないか、さもなくば人員不足で丁寧な広報が出来なくなっているのではないか、と疑っている。
◆自宅で老親の面倒を見ている家庭や、余人に代えがたい仕事を抱えている人にとっては、じれったくてならない状況だろう。
そもそも、接種病院のリスト自体、自治会に入っていない人たちなどには届いているんだろうか?
*******
童謡 天野忠
息子の頭を撫でながら
痛いの痛いの 飛んでいけ
と
おばあさんが唱えたら痛いの痛いのといっしょに
長患らいの息子も
飛んでいった。
おじいさんの腰をさすりながら
痛いの痛いの 飛んでいけ
と
おばあさんが唱えたら
痛いのいたいのといっしょに
長患らいのおじいさんも
飛んでいった。
それから
戸締まりをして
おばあさんは山へ
自分を捨てにいった。
『詩集 私有地』(編集工房ノア、1981年)より