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田口犬男「積み藁」:モネ[2021年03月12日(Fri)]

ヴァトー「シテール島への船出」からの連想だろうか、田口犬男の詩集『ハイドンな朝』では〈印象派展〉と題する連作があり、その最初は「シテール島への船出」をこよなく愛したというモネである。

詩は「大聖堂」「積み藁」と題されていて、ともにモネの連作を詩のモチーフにしている。
「大聖堂」は「ルーアンの大聖堂」を描いたもので、「積み藁」もおびただしい数を描いた。



積み藁  田口犬男


すべての戦車が
明日 積み藁になればいい
遙かに沈む夕日を浴びて
それが薔薇色に染まれればいい

私たちの時代のマネが
連作を描けばいい

私たちの時代のモネが
連作を描けばいい
「積み藁になった戦車」と題して

刻一刻と変わりゆく
薔薇のあわいを描いてくれれば
それでいい


 田口犬男『ハイドンな朝』(ナナロク社、2021年)より


◆「すべての戦車が 積み藁になればいい」とは、ずいぶん突飛な着想に思える。
だが、ずんぐりした積み藁の形から戦車を連想するのは、モネ(1840-1926)の生きた時代を考えれば根拠のないことではない。
「睡蓮」連作に没入して行ったのは第一次世界大戦、すなわち戦車が新たな兵器として登場した時代であった。

「大聖堂」の詩には〈この世界が/正真正銘の夢ならば/力の限り/美しい夢と化すがいい〉という詩句がある。世情に背を向けて絵を追求したように見えるモネと戦争の影、詩人の想像はそこに向けられているようだ。

詩は、ルノアールやドガ、そしてまたモネと、絵が放射する光の世界を逍遙してゆく。


***

◆モネ「ルーアンの大聖堂」「積み藁」の画像は下記ポーラ美術館のサイトなどから

★「ルーアンの大聖堂」
https://www.polamuseum.or.jp/collection/006-0510/

★「積み藁」
https://www.polamuseum.or.jp/collection/006-0207/


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