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〈空は空への問いの量〉―高野喜久雄[2021年01月10日(Sun)]

高野喜久雄の詩集『出会うため』から一篇。
結びの1連に惹かれた。


道の上   高野喜久雄

いくど目を覚ましても
また別の眠りの内部
とはいえ目をあけるたび
僅かずつ増えている
見えるもの 見えないもの
さらにうれしい悲しみも

人は来たのか
どれだけの深い眠りを
預けられてこの道を
醒めただけ見える道
だが醒めただけ
見えなくなってゆく道の上

脱いでも脱いでも人はまだ
厚い重ね着の中
ほどいてもほどいてもまだ
ほどききれない贈与
立ちすくむもの
うずくまるものの声が聞こえる

わたしは誰か
わたしは何に出会っているか
わたしは何処へ帰るのか
問うこと また問い過ぎる
ことは確かに一つの病気です
だが美しい病気です

空は空への問いの量
水は水への問いの量
言葉も言葉への問いの量
岩となれ 岩を求めたものよ
花となれ 花を求めたものよ
風となれ 風を求めたものよ


高野喜久雄詩集『出会うため』(思潮社、1995年)より


◆「問い過ぎる」ほどに「問う」のは、求めるもの切なればこそであろう。
昨日の詩「川」(合唱組曲『水のいのち』版)の言葉で言えば、「こがれ」ることの純一無雑であるためだろう。

◆最終連「空は空への問いの量」以下の対をなす詩句の連なりが印象的だ。
「岩となれ 岩を求めたものよ」以下は、「こがれ」ることの極点は「こがれ」る対象との完全な合一であることを歌い、それを劇(はげ)しく願ってやまない。






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