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湘南社の憲法論議 主権論[2020年10月22日(Thu)]

◆昨日の記事の後半に記された「湘南社ソング」その2は、自由民権期に湘南社の憲法論議を盛り上げた宮田寅治および猪俣道之輔が講学会(学習討論会)において説いた憲法論を主題としたものだ。
彼らの主権論(人民主権)の歴史的意義を「湘南社ソング」として表現した岩崎稔さんの解説を以下に転載する。

***

憲法視点から見た近現代史
     〜特に伝えたいこと〜


「湘南社」の憲法論議のもつ歴史的意義 
  〜自由民権期における湘南社の活躍〜


     雨岳文庫民権の会 岩崎 稔

 近代への移行期に出された憲法草案の代表格に、植木枝盛の『東洋大日本国々憲案』等があるが、その憲法草案のように、憲法草案の作成に至らなかったが、湘南社の憲法論議において、宮田寅治や猪俣道之輔などは徹底した「人民主権論」を展開し、その人権擁護規定は、日本国憲法に受け継がれている。「もし湘南社の主権論が憲法草案となっていたら、五日市憲法草案を超えたものになっていただろう」(『神奈川県史通史編(近現代1)』と記されている。この自由民権運動期の時代を称して「憲法論議の時代」と呼ぶことができるだろう。
 湘南社では、五日市憲法などの憲法草案の作成には至らなかったが、憲法を構成する基本原則についての学習と論議が活発に行われた。そして、彼等の運動の遺産は、敗戦後の日本国憲法の基本理念にしっかりと受け継がれている。この点を、未来への宝としたい。


《宮田寅治の主権論》

 講学会で講師細川瀏が与えたレポート「主権は何に帰属するや」に宮田寅治は、現日本国憲法第一章の「象徴天皇論」を彷彿させるような論議を提出している。宮田はまず「憲法は国の基本を規定するもの」だとして「主権ノ何ニ帰属スルヤ否ヤヲ以テ、世ノ開未開ヲ知ルベキモノ」と規定したうえで王権神授説やフランス革命等の事例を引き、帝王主権説に反駁し「帝王ハ宛モ主権ノ預リ人カ、或ハ主権ノ強盗人タルガ如キ有様」と述べ、「国民ハ主権ノ権力ヲ以テ主宰者タル、統領・帝王ヲ置クハ之レ主権ノ命ズル処ニシテ、之ヲ制スルニ憲法ヲ以テス、故ニ主権ハ国民ニ帰属スルモノナリ」と論じている。


《猪俣道之輔の主権論》

 また同様なレポートで猪俣道之輔は、国民主権論を展開している。まず「主権の定義」を、「一国憲法ノ利害ヲ廃置シ、一国ノ施策ノ方向ヲ左右スルモノ、之ヲ目シテ国ノ主権ト云フ。即チ一国人民ノ権利集合シテ、社会ノ平和ヲ組織スルノ基礎タリ」と主張する。次に「君主主権論の荒唐無稽さ」を示し「一人巳ノ専有スルヤ道理ニ非リナリ」と君主主権のもつ弊害を力説している。さらに、英国及び米国における統治の在り方に言及し、英国も米国も統治の形態は違うが「人民ノ意思常ニ政治上ノ実際ニ逞フスルノ勢力ヲ有スルハ、両国共ニ同一轍ナリ」と論じている。最後に、人民主権こそ「国家ノ治平」を確保する最高の政治原理であると述べ、「両国が今日ノ富国開明ヲ致シ、各自満足ヲ得ル所以ノモノハ、人民主権ヲ握ルノ外ナルベシ」と結論づけ、「国家ノ治平ヲ望マハ主権ハ人民ニ帰属セザル可ラザルナリ」と論じている。
 宮田寅治も猪俣道之輔も「君民共治説」を排し、人民主権論を堂々と主張している。


     *10月31日(日)の「湘南社民権講座」にて配布予定の資料

*******

◆宮田寅治、猪俣道之輔はともに相州金目村(現在の平塚市)の人で、森謗O郎(こうざぶろう)とともに金目村の民権家トリオとよばれ、思想・政治・教育に大きな貢献をして行く。

関連記事
2019年5月20日【自由を求めて――猪俣弥八の生涯(1)
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/1234

「明治の文化村」とも呼ばれた金目村と民権の歴史については大畑哲氏がWeb版の『有鄰』第419号に紹介している。
大畑哲「自由民権の里・平塚市南金目」 
https://www.yurindo.co.jp/static/yurin/back/419_4.html

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