スローな配達にしてくれ[2020年04月26日(Sun)]
アケビ(ミツバアケビ)の花のようだ。
ぶどうの房のように暗紫の花が付いていて、下の小さいのは雄花、上方の大き目のが雌花(下に拡大写真)とのこと。
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◆予期しないものが店頭から姿を消している。
「LR41」というタイプのボタン電池だ。百均でも2ヶ110円で買えるありふれたものだが、トンと見当たらなくなった。電子体温計の需要増の影響だろうとふんでいたら案の定であった。
コロナ禍のもと、日に何度も体温を測る人も急増していることだろう。
この国の強みと言われてきた「ものづくり」、もはや昔の栄光に過ぎないことが電池1ヶで実感させられる。
おでこに手を当ててみる、という電池不要のやり方も、少なからぬひとり暮らしの人には無理な話だろうと案じられるが、今や必需品というべき電池も体温計本体も、しばらくお目にかかれないかも知れない。
◆机のまわりを整理したら、木製の本立てがしばらくぶりに姿を現した。
中学一年の技術家庭で作った本立てである。半世紀以上前の、たぶん最初の立体的自作木工作品である(花瓶の置き台のようなものを作った記憶もあるが、それは2枚の板を小さな板きれで釘打ちしてつないだだけの平べったい細工で、ショボかったという印象しか残っていない)。
何回か釘を打ち損ねた跡やトンカチの頭の使い方を間違えた凹みも残っている。最後に釘を完全に打ち込む時にはトンカチの丸く盛り上がっている方で打つのを間違えてしまったのだった。
リンゴ箱を作る手伝いで使い慣れていた釘抜き付きの金槌とは、使い勝手がずいぶん違った。
幅30cm余りの小さな本立てながら、砥の粉をすり込みニスを塗ってつややかな輝きを目の当たりにした時のちょっとした感動も記憶にある。
材は当時大量に輸入して安価だったラワン材。グレタさんに「あなたたちがして来たことと言ったら……」と叱られそうな森林破壊の証拠品でもある。
◆玄関先に本立てを置き、郵便物3日分を溜めておくスペースとして活用することにした。
本立ての背板にプラスチック版を2枚、スライドできるように嚙ませて可動式の仕切りとし、左から「おととい」「昨日」「今日」と書いたシールを貼って3日分が置いとけるようにした。
郵便・メール便を問わず「不急」のものが大半だから、そこに待機してもらい、3日経たものからおもむろに開封する、というルールを定め、家族に周知した。
仮に配達物にウィルスが付いていたとしてもその間に死滅してくれるだろう、という読みである。
もし、請求書や納税通知など、喫緊の書類が来たらどうするか?
――気散じついでに慎重に封筒の端をつまんではさみをもって開封、中身を滑らせて下に落とし、目を通した後に丁寧に手洗いすることを原則とする。
中身にウイルスが付着していたら?
――運ばれてくる間に死滅しているものとみなすこととする。仮に付いていても手洗い励行で撃退できるだろう。
願わくは、配達の方々、投函翌日にも読みたいなどという希望は微塵も持っておりませんので、昔のように、3日ぐらいかけてゆっくり届けて下さいますよう。