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〈尊重しつつ恐れる〉[2020年04月18日(Sat)]

◆新型コレラウイルスの国内感染者が1万人超えたとのニュース。18日は462人の新たな感染者が判明して、1万311人。これにクルーズ船での感染者712人がいるので累計では1万1023人とのこと(NHKまとめ)。

だが、NHKはかなり早い段階からクルーズ船の感染者数は切り離して、それ以外の数を先に伝えるやり方に変えていた。恐らく感染数を少なく見せたい政府の意向に従ったものだろう。

逆に、一貫してクルーズ船の感染者を含めた合計数を最初に伝えているメディアもある。このやり方だと、一日に574人が確認された16日の時点で、すでに1万人を超えていた。
しかし、クルーズ船も含めた感染者数を最初に掲げて来た朝日新聞すら、17日の記事見出しに「1万に達した」とは書かなかった。
クルーズ船への封じ込め作戦失敗を早く忘れさせ、感染者増の現実を小さく見せることに加担する。これもまた政権への忖度の一つと言うしかない。

1万人という大台に達した日が、カウントの仕方で2日遅れの日付けで記録される。たった2日のタイム・ラグというかも知れないが、明らかに拡大が加速している状況で、人々への注意喚起が2日遅れる結果の違いは大きい。何のため、誰のための報道なのか、疑問符を突きつけたくなる。

そもそもクルーズ船内に乗り込んで対応に奮迅した医療関係者や、船内に足止めされたまま、十分な治療を受けられずに落命した人々に対して非礼ではないか。

*******


ほこり   プリーモ・レーヴィ
              竹山博英 訳

どれだけのほこりが積もっているのか
ある人生を生きた神経組織の上に。
ほこりには重さはなく、音は出さず
色も目的もない。覆って、否定する、
汚して、隠し、麻痺させる。
殺しはしないが、消してしまう、
死んではいないが、眠っている。
それは未来に発現する害毒を孕んだ、
千年もの時を経た胞子に宿を貸している、
それは小さなさなぎで
分断、解体、堕落を待ち望んでいる。
それは曰く言いがたい、混乱した、罠そのもので、
未来に攻撃する準備をしており、
無言の合図が放たれると
無力が強い力に変わる。
だが別の芽にも宿を貸している、
理念に成長する眠った種子で、
そのおのおのに一つの世界がいっぱい詰まっている、
予想を超えた、新しくて、美しくて、奇妙な世界が。
だから尊重しつつ恐れるのだ
この灰色で形のない外套を。
善と悪、危難、
そして多くの書かれたことが内包されているのだから。

                   1984年9月29日

 竹山博英訳『プリーモ・レーヴィ全詩集』(岩波書店、2019年)より

◆われらの体内には、混乱と堕落を引き起こす胞子がほこりをかぶったまま眠っている。だが同時にそこには、理念に支えられた全く新しく美しい世界を発現する芽もまた蔵されているのだ。

それら、善きものと悪しきものの膨大な記録がそこには刻み込まれて未来の読者を待つ――そんな風にメディアの人間たちは考えないのだろうか。

報道であれ、政治を司る者であれ、レーヴィの言う「尊重」と「恐れ」をもって人間の内なる「胞子」と「芽」に瞳をこらすことがないならば……。



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