◆散歩道に黒い2寸ほどのカエルが這いつくばっていた。
近づいても動かない。
飛び跳ねる直前の姿のまま息絶えているのだった。
鳥に咥えられて行く途中、放り出されて絶命したか。
白い腹を見せて転がっているカエルを目撃したことも今年に入って2度ほどある。
冬眠するという彼らの生態について何ひとつ知らないけれど、いささかの陽気に油断して姿を現したところを襲われたか、目ざとい天敵に隠れ処をあばかれてしまったものか。
それにしても、食えぬ奴と見棄てられたかのように寒空にさらされた無残な姿には、惻々とこちらの臓腑にしみ入るものがある。