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現し身の重量[2020年01月24日(Fri)]

DSCN2615.JPG



鳥と枝   小池昌代

楡の木に
一羽の鳥が来てとまる
大気のなかで
静かに時の目盛りがふえた
誰か見知らぬ人の手で
鳥の重量が秤られているのだ
けれど
小石ほどの肉をもつ小動物よ
翼というものをもつおまえに
そもそも重みというものがあったのか
生きる速度は
垂直に垂れ下がる肉の重みを
いつも水平に分解する
生きている、わたしたちは
感覚もせずに生きているのだ
自分の肉のふてぶてしい重量を
鳥はどこへいったのか
軽やかな重みはいったいどこへ解消されたのか
鳥が飛び立った清潔な空間に
いつまでも
答えを出すように枝が揺れている
答えを隠すように枝が揺れている



『雨男、山男、豆をひく男』(新潮社、2001年)より


◆中央に置かれた詩句「生きる速度は/垂直に垂れ下がる肉の重みを/いつも水平に分解する」という表現に納得する。「盤石の軽さ」とでも形容しようか。
そのような速度で生きられればさぞ快いだろうに、と思う。
だが、鳥ならぬ人間の身がようやく水平の位置を獲得するのは、地上に訣れを告げる時だけだ。
それまでは、鳥の軽やかさにあこがれるばかり。

◆結びの対句、「答えを出すように枝が揺れている/答えを隠すように枝が揺れている」――
そこに鳥が留まっていたことを示すのは揺れる枝なのだけれど、その枝をみつめるうちに、かき消えた姿はまぼろしで、風が枝を揺らしただけなのでは、と思えて来る。
見ている者に目まいが訪れてくる。

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