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〈一滴の 平和なかなしみ〉[2020年01月12日(Sun)]

DSCN4511-X.jpg
境川に注ぐ宇田川で群れるサギたち

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一滴の静寂のために   石原吉郎

一滴の静寂を
海洋の広さから
すくいとるために
どれだけの嵐がかさなり
うねり去っただろう だが
あらしの長さ
静寂が寸刻にすぎぬことが
私に重大なのではない
私に重大なのは
広大な海洋に 一滴の
平和なかなしみが均衡することだ



詩誌『ペリカン』1977年7月掲載
現代詩文庫「続・石原吉郎詩集」(思潮社、1994年)より

◆「一滴の 平和なかなしみ」もって海洋に対峙するひと。
さまざまなものの喪失と、あまたの人々のいのちによって贖われた平和ゆえに、たった一滴のかなしみが広大な海洋に均衡するのだ。

なにかに深く堪える[2020年01月12日(Sun)]

入江  嵯峨信之

なぜこんなに心せかれてくるのだろう
ぼくの立っている沙地がもう残り少ない
くりかえしくりかえし寄せていた夕汐が滑らかに沖へひろがっていて
他のひとのしずけさに似た穏やかな海の上
ふと対岸から鐘の音がきこえてくる
いくつか鳴りつづいて 遠くで鳴りやんだ
すると空と海とが遥かに去りゆくものを去らせている
どこかにかくれている一つの約束が見える
大きな鳥が一羽 沙洲の上をすれすれに飛んだ

一つの源へ力となるためにすべてが集まっているのだろう
ぼくは手ばなすことができないものをじっと摑みながら
なにかに深く堪えている


小海永二編『精選日本現代詩全集』(ぎょうせい、1982年)より

◆詩中の「一つの約束」や「一つの源」が全く信じられないような者にとっても、「手ばなすことができないものをじっと摑みながら/なにかに深く堪えている」自分や他者の存在を感じることはあるのじゃないか。
もしそうであるなら、じっと堪えている他者に気づくことの方が、よりたくさんありますように。


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