敬老会――ちちんぷいぷい[2018年09月12日(Wed)]
敬老会
◆藤沢市と地区社会福祉協議会共催の敬老会があった。参加する地元の年配の方々に同道。
高齢化時代を迎えて案内をお届けする方々は2014年から83歳以上に引き上げられたが、それでも2日に分けて開催するほどたくさんの高齢者がいらっしゃる。
1日目は小田急江ノ島線の東側エリアの方々で、約200名の参加だという。
祝辞、乾杯、昼食のあと、カラオケで自慢ののどを披露する方が次々とステージに登場。
「津軽のふるさと」の熱唱に耳傾けながらTV画面をみやると、弘前あたりから見える姿の岩木山が映っていた。
それに呼応するようにアトラクションとして津軽三味線の演奏があった。
地元民謡教室の湘風会の皆さん。
じょんがら、津軽甚句、北海盆唄などなど。花笠音頭では会場の方々も花笠を手に踊りで加わり、締めはネブタ囃子で大いに盛り上がった。
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◆帰りのマイクロバスが住宅地にさしかかると、ちょうど小学生たちの下校時間。
参加されたお一人に「お孫さんが小学校に通っていらっしゃる…」と話題にしたら、「小学校に通っているのはひ孫たちだ。」と言われて、そうか、あの子たちから言えば「ひいお爺さん」になるのか、とこちらのウッカリを修正してもらったのだったが、その方を含め、みなさん歩き方も話しぶりも若々しいので、「ひ」や「ひい」を付けて家族4世代(四生同堂!)をイメージするのは難しいのだった。
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ちちんぷいぷい 川崎洋
きのう 学校からの帰りみち
すってんと ころんで
ひざっこぞう すりむいた
痛くて痛くて 涙が出た
そのときだ
知らない おじいさんが
ぼくの ひざっこぞうを さすりながら
「ちちんぷいぷい
ぷよの おんたから
はむくしゃくしゃ
はとは ぽうぽう
きじは けんけん
おしょうさまは
どうよくだ どうよくだ
ぷい」
と いったんだ
痛いのが とれる おまじないだ と
おじいさんが いった
ほんとに
痛みが 少し とれたんだ
ぼく お母さんに
その おまじないを 教えてあげた
こんど すりむいたら
母さんに いってもらうんだ
川崎洋少年詩集『しかられた神さま』 (理論社、1985年)
*「ちちんぷいぷい」、まことにふしぎなおまじないだ。
「ちちんぷい 御世(ごよ)の御宝(おんたから)」の略だと言う。
この詩ではさらに由来不明の呪文が続き、効験あらたかな雰囲気を立ち昇らせながら、最後「ぷい」と煙に巻いて終わってしまうのが面白い。