栃の実の子どもたち[2026年07月08日(Wed)]
◆トチノキに出会った。街中で会うとは思いもしなかった。
場所は、横浜、フランス山の入り口前の交差点前だった。
トチの実が葉の上にチョコンと頭を出しているので栃の木だと分かった。
実が三つ、頭をくっつけるようにして放課後何をするか相談している子どもたちのように見える。
もう一人いた――口をへの字にギュッと結び、疎んじられても黙って耐えている頑張り屋さんが。
*
◆子どものころ、隣村の神社の入り口に大きなトチノキがあった。
お祭りがあった日に兄と遊びに行ったのだろう。
ちょうど落果の頃で、実を一つ家に持ち帰り、祖母の箪笥の抽斗にその日はしまって置いた。
翌日だったか果肉を砕き、水でうるかしてかき混ぜ、シャボン玉遊びをしたが、駄菓子屋で売っている合成石鹸のシャボン玉ほど大きく出来ず、玉はすぐこわれてしまう。
そのためだろう、その後、栃の実でシャボン玉をつくる遊びはしなくなった。
上の写真のへの字の栃の実、あの時のわが飽きっぽさや薄情さを、ひょっとして今も恨んでいるのじゃないか。



