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まど・みちお「かいだん・U」[2026年05月16日(Sat)]

◆昨日の続き……


かいだん・U   まど・みちお


のぼるに
おりるに
ねんを おす
 たしかに
 たしかに
 かいだんだ


   同じく
   伊藤英治・編『まど・みちお全詩集』(理論社、1994年)より


◆老年、足腰の衰えでいやでも階段のぼりおりに慎重になる。
3月に国立駅の近くでこけて擦りむいた。2か月たってようやくカサも取れたが、以来、階段はおろか平坦な道も用心している。
人生の黎明期にもそうだったかも知れない。家に2か所、蔵に1か所ある階段は、どれも学齢前の子どもには急なことこの上なかった。だがいずれそれらには慣れる。

よその家に行った時の階段は、上に何があるのか興味津々、時に「怪談」の世界に足を踏み入れる感じも伴った。

◆上の詩、「かいだん・T」同様に学校の階段だろうか。
わが身を振り返れば、小学校は1年から3年までずっと1階の教室だったし、上級生のいる2階に上ってみる冒険心には欠けていた。
よって、この詩の主人公のように、のぼりおりしながら「ねんを お」し、「たしかに たしかに」と自分だけの発見を思わず口にしているよろこびを味わわずに終わった。

ざんねんなことだ。






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