高田敏子「小さな靴」[2026年04月05日(Sun)]
花の中心がベージュ色のスイセン。いろんな種類があるものだ。
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小さな靴 高田敏子
小さな靴が玄関においてある
満二歳になる英子の靴だ
忘れて行ったまま二ヵ月ほどが過ぎていて
英子の脚にはもう合わない
子どもはそうして次々に
新しい靴にはきかえてゆく
おとなの 疲れた靴ばかりのならぶ玄関に
小さな靴は おいてある
花を飾るより ずっと明るい
三木卓・編『詩の玉手箱』(いそっぷ社、2008年)より
◆子どもの靴をうたった詩は、この季節にいかにもふさわしい。
歩き始めて間もない幼な子であれ、ランドセルの一年生であれ、その成長に驚く大人たちの口元も、花同様にほころんでいる。
◆そういえば今日の昼過ぎ、入学式帰りらしい親子連れを見た。
フェンス沿いの桜が、その先の交差点にも花びらを飛ばしている、道を南へと渡って行った。
三人とも足取りは軽い。どこかでお昼にしよう、ということだったろうか。



