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工藤直子「しわ」[2026年01月19日(Mon)]


しわ  工藤直子


かきねのところで そうちゃんと しゃがんでいたら
せいじおじさんが あるいていきます
じっと みていたら
ずぼんのおしりが もくりもくり していました
おしりのしたに ずぼんのしわが いっぽん あって
あるくと しわが みぎにいったり ひだりにいったりします
しわが おどって しっぽみたい
そうちゃんに おしえたら
くくくとわらって
おじさんの うしろに くっつきました
くくくと わらって
「しわおどり」といって おどりました
あ ほい あ ほい と てを ひらひらさせます
おもしろいから わたしも あ ほい あ ほい と
そうちゃんの うしろに くっつきました

くくくと わらうと もっとわらいたくなる
がまんしてたら
おなかに かまって ききき ききき となる
あんまり ききき ききき としていたので 
せいじおじさんが ふりむいて
「お なんだなんだ」と いいました
そうちゃんと わたしは にげて
はっはっは と わらいました
ああ きもちがいい


  『こどものころに みた空は』(理論社、2001年)より


◆タカイチ首相の国会解散会見を聞いていたら、何のことはない、今日も名前を出したアベ首相をなぞっているだけだった。
いわく「確実に〜して参ります」、いわく「世界の真ん中で輝く日本」。

それだけではない。記者からの質問に対する答弁では、読み上げた原稿を繰り返すだけの箇所が目立った。準備不足を物語る。息切れも耳についた。
NHKは、幹事社からなど二つ三つ質問が出たところで、スタジオからの解説に引き取った。
そこまでのおさらいをしても仕方がない(中味が無いんだから)。台湾有事発言などに及んでボロが出ないうちに切り上げてあげたのだろう――などと、ないハラを探られないよう、記者たちのツッコミを電波にのせるべきだったろう。

*******

◆ことばの繰り返しがチャンと詩になっているのが工藤直子の「しわ」だ。
視点は子どもたちのローアングル、しかも、しゃがんでいて見つけた「発見」だ。
尻のシワが顔みたいに表情を変える。こせついたところのない、まことにのんびりしたテンポで歩いている。おじさんの人柄まで伝わって来る。
とぼけた繰り返しが踊りへといざない、読み手の気分まで解放してくれる。
――こうでなくっちゃ。





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