まど・みちお「さかなの からだ」[2025年11月06日(Thu)]
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◆◆前回の「さかな」に続けて、もう一篇さかなの詩を――
さかなの からだ まど・みちお
さかなの からだは
なんで みんな
目のかたち してるのだろう
ほんとの目だけでは たりないので
からだの目と
りょうほうで
みはっているのかしら
うみが よごれないように
すみから すみまで……
伊藤英治・編『まど・みちお全詩集』(理論社、1994年)より
◆言われてみれば、幼年期、図画で魚を描く時に、二つの弧を上下対称に描いて形をこしらえていたように思う。何匹も登場させる時には一筆書きの要領でいくつも描いていた。
鮟鱇とか太刀魚をあえて描こうとする子どもはまずいないし、誰もが「目」の形を魚として描いていたのだろう。秋刀魚だって、切れ長の目、ということになる。
その目が見つめているのは、海のよごれだけではあるまい。
そう思えば、昨今の秋刀魚の高騰を恨むなどもってのほか、三拝九拝おろがみおろがみ崇めたてまつらねばならない。



