
高野喜久雄『朱鷺』より「X 村人の声」[2025年06月22日(Sun)]
◆トランプのアメリカによるイラン核施設への攻撃。米本土からステルス爆撃機B2が直接攻撃に向かったのだ。
理性(そんなものが欠片でもあったとして、だ)の底が抜け、地獄の釜のフタが開いた。
行き着く先に想像力が及ばない者に酸鼻を極めた未来は無いに等しい。
だからこそ、踏み外した愚か者の罪を、世界は問わなければならない。
それは、滅ぼしてならぬものの側に立つことだ。
『朱鷺』より X 村人の声 高野喜久雄
滅びてならぬものは 滅びない
あれは 天に帰ったはずだ
くり返し 生まれるための
問いの言葉は 足りたのか
滅びてならぬものは 滅びない
あれは 再び舞い下りた
幾度でも 始めるための
出会いの深さは 足りたのか
滅びてならぬものは 滅びない
あれは 天に帰ったはずだ
忘れたことさえ 忘れていたと
気づく心は 足りたのか
滅びてならぬものは 滅びない
あれは 限りなく舞い下りる
地上はつねに 問われ続ける
詫びる心は 足りたのか
CD『日本合唱曲全集 鈴木 輝昭 作品集1』(日本伝統文化振興財団,2005年 VZCC-15)より
◆鈴木輝昭が作曲した、5曲からなる女声合唱とピアノのための組曲『朱鷺』の第5曲。
CDは藤井宏樹指揮による女声アンサンブルJuriの合唱、ピアノ花田美佐子による演奏だ。
★YouTubeで聴くことができる。
⇒https://www.youtube.com/watch?v=fAG8qyjJJdc