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トマス・ハーディ「かわらぬ歌」[2025年04月13日(Sun)]

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かわらぬ歌  トマス・ハーディ
       (森亮・訳)

鳥は全く同じ歌をうたう。
ちょっとの狂いもなく流れ出るその節
(ふし)
かつてわたしたちがここで聞いたもの、
遠い歳月のかなたで。

嬉しさいっぱいの丸覚えの歌の調べが
ひと節違
(たが)わず歌われて
こんなに今日まで続いていようとは
愉快な驚きというほかない。

でも、あれは全く同じ鳥ではない。
そう、あのときの鳥なら死んで土になっている。
わたしと一緒にあの歌に聞き入った人達が
みんなそうであるように。


 青木健・編『大人になるまで読みたい 15歳の海外の詩』(ゆまに書房、2020年)より


◆ヒヨドリはヒヨドリとして、ウグイスはウグイスとしてそれぞれの歌を変わりなくうたう。
確かに。
一方で個体としてはその生涯を終えて土に還っていく定めを免れないのも間違いない。

今年もキジが鳴いていた。同じあたりで去年も聞いたことが春霞から浮かぶみたいにして思い出される。だが、同じキジなのかは分からない。
同様に、人間の方も明年、同じように鳥たちの歌に耳傾けている保障はない。
ならば、みな、生のありよう、命のつなぎ方において異なるところなどない仲間じゃないか。







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