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橋本俊幸「夕空」[2025年02月04日(Tue)]

◆鳥たちにとって食べるものの少ない冬は、どこでどうやって過ごしているのか。
少し前まで散歩道にふんだんにあったトウネズミモチの実など、あっという間に食べ尽くして、彼らの賑やかな午餐の姿はもうない。

DSC_0558.jpg

久しぶりに群れていたのは、たぶんメジロ。葉を落とした枝々に姿があった。


******


夕空   橋本俊幸


土手に駆け上がると
風が渡り
空が大きく開けた

沈みゆく夕日が
金色に雲の縁を輝かせ
朱には黄色を
紫に灰色を
そして淡い紅色を
重ね滲ませ 空を彩る
漂う雲のうしろで
時はうつろい紫紺は深まる

美しさに圧倒されて
見上げ立ち尽くす

果ては
空の果ては 如何なるところか
ふと足元が
拠り所を無くし揺らぐ
ここは 何処なのか
わたしが生きる この世界とは
日が沈む西方の空に
いつしか星がひとつ輝いている
何か語りかけるようなその瞬きから
言葉を聴きとる力をわたしは持たない
ただおとなしく 畏れを抱く


橋本俊幸詩集『青空に星は見えない』(土曜美術社出版販売、2024年)より


◆夕焼けの美しさに息を吞むことがあっても、それを何かで表現しようとしてうまくいくことはそうそうない。

詩の第二連で様々な色が試みられているが、言葉の限界と不自由さを人一倍感じているのも詩人自身ではないか。
受け取ったものが大きく深いほど、もどかしさもまた大きい。



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