
工藤直子「くりかえす いちにち」[2025年01月13日(Mon)]
くりかえすいちにち 工藤直子
あかあかと あさひのぼれば
あれこれの ようじぱたぱた
あらまあと なげくあいだに
あらいやだ おわるいちにち
あすこそと かたくけっしん
ああ まいにち まいにち
ああ けっしん けっしん
ゆるゆると ゆうひしずめば
ゆうはんの まえにいっぱい
ゆうやみの なかでしみじみ
ゆとりなき わがみはんせい
ゆきつくは どんなじんせい
ああ まいばん まいばん
ああ はんせい はんせい
詩 工藤直子/オブジェ あべ弘士『なんとなく・青空』(文化出版局、2010年)より
◆この詩人らしくひらがなだけの平易な詩なのに、めずらしく観念ぽいのは「けっしん」「はんせい」などの漢語を含んでいるためだろう。「じんせい」などという、誰しも息を止めたまま大上段の構えを崩すことが許されないような漢語まである。むろんそれらもひらがな書きなのに、いずれも難しい観念を表すことばであるから、どうしても説教臭がつきまとう。
誰かに難題をおしつけてシレッとするつもりはいささかもなく、「まいばん/はんせい」するのは自分自身なのだけれど、どこまでもつきまとう「よいこ」であろうとするシンドさは隠しようもない(むろん、隠そうともしていないのだけれど)。