和合亮一「対話」[2024年09月26日(Thu)]
マテバシイ。
そのどんぐりを葉にあしらってみた。
これらは、子どもはもちろん、大人にとっても遊びに誘う恰好の素材だ。
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対話 和合亮一
あなたが
もたらす
言葉が
種子になり
芽を出して
葉を広げて
やがて
そっと
木に
花を咲かせる
わたしは
秘密を守るようにして
耳を澄ませて
野原に探してみる
わたしたちの心には
いつも遠い星の
横顔があります
黙っていると
沈黙は深くなる
だから
ささやきはじめる
わたしたちの
おしゃべりには
終りがない
この世界から
風の音が
ひとつも
止(や)まないことと
同じように
和合亮一の詩+佐々木隆の写真による
『十万光年の詩(うた)』(佼成出版社、2020年)より
◆この世界の果てしない広がりと時間の積み重ねに耳を澄ます。
――対話が始まるのは、その沈黙の後だ。
聴くためには、まず沈黙が必要だ。そうすれば、いつまでも飽きることのない対話が深く豊かに続く。