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巻上公一「なりやまず」[2024年04月18日(Thu)]

DSC_0405ツルニチニチソウ(斑入り).jpg

ツルニチニチソウ。斑(ふ)の入った葉との色の調和が印象的。


*******


なりやまず (ことさらに面妖) 巻上公一
  

ことさらに分け合う希望の後退り
みえているそれでも躓く事ばかり

ぽろんぽろぽろ なりやまず
ぽろんぽろぽろ うるわしく
いいひとぶって なりすます

ぐっとね
ずっとね
ぐっとね
あっとね


正直をうらやむ悪魔のせきばらい
調弦もできずに爪弾くアルペジオ

ころんころころ なりやまず
ころんころころ いつまでも
おなかがすいて たまらない

ぐっとね
ずっとね
ぐっとね
あっとね


前世も来世もよしなにするがよい
渾沌に目鼻をあけたら死にいたる

そろりそろそろ 逃げたくて
そろりそろそろ 面妖に
ひとは真ん中に いないのか

ぐっとね
ずっとね

ぽろんぽろぽろ なりやまず
ぽろんぽろぽろ うるわしく
いいひとぶって なりすます

ぐっとね
ずっとね
ぐっとね
あっとね



『巻上公一詩集 濃厚な虹を跨ぐ』(左右社、2023年)より
 

◆不思議なリズムだ。
音楽が鳴っていて、それに導かれるように体が自然に動き出す。
それも斜め右に、ついで斜め左にとジグザグ歩を運び、時に後退りしながらふわふわと。

「ぐっとね/ずっとね/ぐっとね/あっとね」の「急/緩/急/急の自乗」とでも表したいような抑揚のついたテンポが全体を動かしているが、それは個人の、というより集団群舞のような律動として感じられる。

「ぽろんぽろぽろ」や、そのヴァリエーションである「ころんころころ」「そろりそろそろ」も、読み手に踊る輪に入るよう手招きしてるみたいで面白い。

解放・陶酔と愉楽は、人間不在の現世を揺さぶりあざ笑う気分と一体のものだ。




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