• もっと見る
« 帰路の山々 | Main | 井手則雄「パレスチナへ」 »
<< 2024年06月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
椎名麟三〈ときもなく/世界もなし〉[2024年03月27日(Wed)]


富姫のうた 3  椎名麟三


死んだ者は自由
何もえらばなくてもいいもの
ときもなく
世界もなし
風に舞う木の葉のように
ただ虚空にただよう


戯曲姫山物語――二幕七場」より
木島始・編『列島詩人集』(土曜美術社出版販売、1997年)に拠った。


◆上の詩に徴すれば、生きている限りは「えらぶ」ことがつきまとう。何を食べるか、どんな仕事に就くか、どこに住み、誰を人生のパートナーとして選ぶか……。

悩み抜いて生きることが面倒になることさえある。
だが、逆に言えば、悩むことは生きている証拠、とも言える。

◆であるなら、「えらぶ自由」が奪われることは死を押しつけられるに等しい。

詩中「ときもなく」とある。しばしば歴史修正主義者は権力者にとって不都合な真実を隠して、特定の歴史を押しつける。この場合は「とき」=歴史が殺される。それは、歴史の中に確かに生きていた人々もその存在を抹消されることだ。高崎市の県立公園「群馬の森」にあった朝鮮人追悼碑の撤去はそのような例の一つ。

ガザの南部に押し込められ、住む自由どころか、食べるものさえ奪われるのは、息をしてよい「世界もなし」の状態、つまり、死の宣告にほかならない。それをも「自由」と称するのは、殺す側の屁理屈に過ぎない。





この記事のURL
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/2996
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント
検索
検索語句
最新コメント
タグクラウド
プロフィール

岡本清弘さんの画像
https://blog.canpan.info/poepoesongs/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/poepoesongs/index2_0.xml