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小澤征爾「音楽」=声=まど・みちお「木」[2024年02月21日(Wed)]


◆今朝(20242/21)の朝日新聞、鷲田清一が選んだ「折々のことば」は、小澤征爾だった。

音楽はまず声から出発するんだ。
全部の楽器は全部人間の声の代理なんだ。

小澤征爾・武満徹の共著『音楽』(新潮文庫、1984年)から

様々な楽器で織りなすオーケストラ音楽に限らないことだと思う。
ライヴで聴く体験が、録音とは異次元の感銘を与えるのも、上の事情が深く関わっているのだろう。

◆さて、上の「人間」「宇宙」と置き換えても話は通じる。
そのことを、次のような詩に表現する詩人もまた、宇宙の声の代理人だと諒解される。


 木   まど・みちお


木が そこに立っているのは
それは木が
空にかきつづけている
きょうの日記です

あの太陽にむかって
なん十年
なん百年
一日(じつ)一ときの休みなく
生きつづけている生命(いのち)のきょうの…

雨や
小鳥や
風たちがきて
一心に読むのを きくたびに
人は 気がつきます

この一つしかない 母の星
みどりの地球が
どんなに心のかぎり
そこで ほめたたえられているかに

人の心にも
しみじみ しみとおってくる
地球ことばなのに
宇宙ことばかもしれない
はるかな しらべで…


谷川俊太郎・編『まど・みちお詩集』(岩波文庫、2017年)より


◆大地に根を張った木が、太陽に向かってまいにち休むことなく書き続けている日記、それをじかに読むことのできる人間はそんなには居ないのかもしれない。
だが、そこにやってくる雨や鳥や風たちが木の日記を読んでくれるおかげで、人はその日記を同じように読むことができる。
言ってみれば、雨や鳥や風はオーケストラにおける楽員たちのような存在だ。

彼らを通して私たちは、木が宇宙に向けて毎日発信しているメッセージやつぶやき、喜びや悲しみの歌を聞くことができる。

◆しかしながら、日々TVで伝えられる、戦場の街々では、焼け焦げたであろう木たちの姿は探しても見当たらない。瓦礫の広がる地上で鳥の姿も見た記憶が無い。


*******


◆この「木」という詩には鹿谷美緒子や高嶋みどりが付曲している。
そのうち、鹿谷の作曲による合唱をYouTubeから……

秋田大学教育文化学部附属小の歌う「木」――作詞:まどみちお 作曲:鹿谷美緒子
(2017年10月28日「TBSこども音楽コンクール 東北大会」での合唱)
https://www.youtube.com/watch?v=fV16NT0Q4pM




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